母の歩いた道
澤崎美樹子 歌集
第五部 ともしび 遺詠
遺されし姑の鉄漿つぼ形よく手頃にあれば漬梅わける
美樹子
【まえがき】
母の死後二十年が経ちました。実家を整理したりする中で、母が詠んできた沢山の短歌に触れ、いつかはこれをまとめて遺しておきたいと思うようになりました。これは七年前に亡くなった父の切なる願いでもありました。読みにくい文字や重複するものも多くとても多くの時間が費やされましたが、なんとかここにまとめることができ、ほっとしております。
第一部では短歌の月刊誌「コスモス」に投稿して収録された作品を収めました。
母自身がこのようなノートにまとめてあり、平成5年1月号から平成12年1月号までに投稿した243首がここに集められていました。
また第二部では母の書き散らしたものを私が書き写し、まとめたものを275首
収録しました。
昭和60年ごろから最晩年の頃のものと思われます。
第三部は母が遺した「詩帖」から収録しました。昭和49年から平成元年にかけての作品110首です。
第四部は「ともしび」2001年2月号に投稿したものが遺詠となったもので、9首。編集者がわざわざ送って下さったようです。
他と重複するものもあります。
第五部はその他の推敲中の原稿や、「コスモス」に投稿するための「詠草」から209首収録しました。
「ルビ」については母が自身でふったものはカタカナで、それ以外にこちらの判断で付け加えたものはひらがなで表記しました。